0.1Mチオ硫酸ナトリウム溶液の準備と標準化の手順
目次
- はじめに
- 実験の準備の重要性
- 0.1モルのチオ硫酸ナトリウム溶液の準備と標準化の方法
- 化学薬品と試薬の準備
- チオ硫酸ナトリウム溶液の準備
- 重クロム酸カリウム溶液の準備
- チオ硫酸ナトリウム溶液の標準化
- 計算
- まとめ
- よくある質問回答
はじめに
実験において正確な結果を得るためには、準備工程が非常に重要です。今回は、0.1モルのチオ硫酸ナトリウム溶液の準備と標準化の方法について学んでいきましょう。
実験の準備の重要性
実験を行うにあたって、化学薬品と試薬の準備が欠かせません。今回の実験で使用する器具や化学薬品は、バレットスタンド、コニカルフラスコ、ピペット、メスシリンダー、濃塩酸、重クロム酸カリウム、チオ硫酸ナトリウム、ヨウ化カリウム、で構成されています。
1. 化学薬品と試薬の準備
まず、チオ硫酸ナトリウム溶液を調整するために、1%のデンプン溶液を作成します。ビーカーに蒸留水50mlを取り、ホットプレートで加熱します。0.5gのデンプン粉を測り、加熱した水に加え、ガラス棒で定期的にかき混ぜながら溶解させます。デンプンが完全に水に溶解したら、溶液をろ過します。これにより、1%のデンプン溶液ができます。また、ヨウ化カリウムを15gを100mlの蒸留水に溶解し、15%のヨウ化カリウム溶液を調整します。
2. チオ硫酸ナトリウム溶液の準備
次に、予定の0.1モルのチオ硫酸ナトリウム溶液を作成します。100mlの容量フラスコに2.48gのチオ硫酸ナトリウム結晶を取り、蒸留水でマークまで満たします。フラスコを振って溶液を混ぜ、ラベルを付けて0.1モルのチオ硫酸ナトリウム溶液として保存します。
3. 重クロム酸カリウム溶液の準備
重クロム酸カリウム溶液を準備します。ガラス皿に重クロム酸カリウム結晶を取り、110℃で30分間乾燥させます。乾燥した重クロム酸カリウムをデシケーターで冷却します。冷却した重クロム酸カリウムをコニカルフラスコに0.16〜0.22gほど取り、25mlの蒸留水を加え、完全に溶解するまで振ります。さらに、5mlの濃塩酸と15%のヨウ化カリウム溶液20mlをフラスコに加え、再び振ってから5分間待ちます。その後、100mlの蒸留水を加えて内容物を適切に混ぜます。
4. チオ硫酸ナトリウム溶液の標準化
バレットに新たに作成したチオ硫酸ナトリウム溶液を取り、初期バレットの読みを記録します。次に、標準液のチオ硫酸ナトリウム溶液をバレットから徐々に滴下し、黄色い色がほぼ消えるまで滴定を行います。黄色い色が薄くなったら滴定を一時停止し、1%のデンプン溶液を1ml加え、再び滴定を再開します。青色が完全に消えた時点で滴定を止め、最終バレットの読みを記録します。
5. 計算
滴定時に使用した重クロム酸カリウム結晶の重さが0.169gであるため、w=0.169gとします。また、滴定中に使用したチオ硫酸ナトリウム溶液の体積は、最終バレットの読み(34ml)から初期バレットの読み(1ml)を引いた34mlです。この情報を元に、新たに調整したチオ硫酸ナトリウム溶液の実際のモル濃度を計算します。求めた方程式を解くと、チオ硫酸ナトリウム溶液の実際のモル濃度は0.101モルです。チオ硫酸ナトリウム溶液を含むフラスコのラベルを正しく修正して終了です。
まとめ
今回は、0.1モルのチオ硫酸ナトリウム溶液の準備と標準化の手順について学びました。実験の準備は正確かつ丁寧に行う必要があります。正確な結果を得るためには、化学薬品と試薬の適切な準備が不可欠です。
よくある質問回答
Q: なぜデンプン溶液を使用するのですか?
A: デンプン溶液は、滴定時に指示薬として使用されます。チオ硫酸ナトリウム溶液が滴下されると、黄色い色が消え、青色に変わります。
Q: チオ硫酸ナトリウム溶液の濃度はどのように計算しますか?
A: 滴定結果と使用した重クロム酸カリウム結晶の重さから、チオ硫酸ナトリウム溶液の実際のモル濃度を計算します。
Q: ヨウ化カリウム溶液を作る必要があるのはなぜですか?
A: ヨウ化カリウム溶液は重クロム酸カリウム溶液の中和作用に使用されます。
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