磁気回路のB-H関係を理解する
テーブル・オブ・コンテンツ:
- 磁気回路解析と設計
1.1 BH関係
1.2 パーミアビリティ
- 非磁性材料の場合のBH関係
- 磁性材料の場合のBH関係
- 磁化曲線
- 磁気回路の設計
- 磁気エネルギーの保存
- 効率的な設計のための考慮事項
- 交流源への適用
- レビューと次の講義への続き
磁気回路解析と設計
BH関係の重要性
磁気回路解析と設計において、BH関係は非常に重要な関係です。この関係は、磁場強度Hが存在する場所や媒体において、磁場密度Bを生成することを示しています。具体的には、Bはmu×Hで表されます。ここで、muは媒体の特性を表すパーミアビリティであり、mu naught(真空のパーミアビリティ)とmu r(媒体の相対パーミアビリティ)の積です。BH関係を理解することは、磁気回路の解析と設計において重要な要素です。
1. 非磁性材料の場合のBH関係
非磁性材料(空気、アルミニウム、プラスチック、木材、銅など)の場合、mu rは1であり、muはmu naughtと等しくなります。したがって、Bはmu naught×Hとなります。非磁性材料の場合、磁気場の強度Hが増加すると、磁場密度Bも線形に増加します。
2. 磁性材料の場合のBH関係
磁性材料(鉄、コバルト、ニッケル、スチール、フェライトなど)の場合、mu rは数百から数千まで変動します。したがって、Bはmu naught×mu r×Hとなります。磁性材料の場合、磁場の強度Hが増加すると磁場密度Bも増加しますが、高い磁場強度Hの領域では非線形となります。この領域では、磁性材料は飽和の影響を示します。
磁化曲線と飽和
磁化曲線は、磁場の強度Hと磁場密度Bの関係を表す曲線です。磁気材料は、低い磁場強度Hの領域では線形に増加し、飽和領域では非線形となります。飽和領域では、磁場密度Bの増加に対して磁場強度Hの増加が比例しなくなります。
磁気回路の設計の考慮事項
磁気回路の設計では、操作点を磁化曲線の線形領域または若干その外側に保つことが重要です。これにより、不必要な損失を避け、高い効率を維持することができます。また、設計者は磁化曲線を考慮して機械の総電流を磁化電流と負荷電流に分割する必要があります。磁化電流は磁場を確立するために必要な電流であり、通常は総電流の5〜20%程度です。
交流源への適用
交流源を磁気回路に適用する場合、磁化曲線の正と負の側面が毎秒60回(60Hzシステム)または50回(50Hzシステム)繰り返されます。
ここでこの講義を終わりにし、次の講義で続けます。お聞きいただきありがとうございました。